学生時代、クラスの中には先生の問いかけに敏感に反応し、授業を盛り上げたり笑いを提供したりする仲間がいませんでしたか。
先生が全員に質問を投げかけたとしても、手を挙げ、口火を切って発言し、時に笑いを提供し、学びの場を活気づけてくれました。
研修でも様々なスタイルの受講者がいますので、どのように進行したらよいのか考えていきます。
1. 発言の多い受講者
講師として研修を進行する際、
積極的に質問し
アイデアを提供する受講者の存在は、
周囲の余計な緊張感を取り除き
全体のエネルギーを高めて
他の受講者にも刺激を与えてくれるため、
研修の進行がスムーズになり、
学びの雰囲気を良くしてくれるため
ありがたい存在です。
しかし、その受講者だけを
『良い受講者』と
評価していないでしょうか。
講師は
全員に公平に機会を与え
受講者全体の参加を促す必要があります。
瞬発的な積極型の受講者が多いと
発言が偏ってしまうことがあり
注意が必要です。
2. 発言をしない受講者
中には、あまり目立たず
表情も硬く
自分からは発言しない人もいます。
発言をあまりしない受講者は
決してやる気がないわけではありません。
むしろ、熟考型の人が多く、
情報を収集し
じっくりと考え抜き
必要なときに
驚くほど洞察に富んだ意見を
提供することがあります。
彼らはあまり自己主張せず
感情を表に出すことは
少ないかもしれませんが、
その代わりに、
よく考え
的確な意見を述べることが得意です。
3. 特性を理解して尊重する
積極的な発言者も、
慎重に考え抜くタイプも、
それぞれが独自の強みを持っています。
積極的な発言者は
グループディスカッションを
リードしたり
場を盛り上げたり
熟考型の受講者は
他者にはない深い洞察を
提供します。
どちらのスタイルも貴重で、
それぞれの個性が
全体の学びを深めていきます。
中には、両方を兼ね備えた人もいます。
以前担当した研修の参加者は
50名程でした。
最後列に着席していた
その社員の方は、
多くの場面で口火を切って発言し
内容は的を射ており
他の受講者も
大きくうなずき
「なるほど」と
賛同するほどでした。
しかも、おごった様子はなく
懐の深い
実に好感のもてる方でした。
こういう方が一人いると
50人と人数が多くても
研修室には一体感がでて
誰もが興味をもち
良い雰囲気で学びが深まっていました。
講師として、
異なるスタイルの発言を奨励し
全員が参加しやすい環境を
整えることは大切です。
4. まとめ
研修を進行する技法の一つとして
積極型
熟考型
両者兼備型
を見極めて
発言スタイルを尊重します。
受講者は
自分らしいスタイルで意見を表明でき
承認されることで
自信がもてるため
学びの質と深さが向上します。
講師の役割は、
受講者全員が参加しやすい環境を整え
異なる受講者スタイルを尊重し
それを活用することです。
そうすることで、
研修はより効果的になり、
受講者は多くの価値を得ることができます。
異なるスタイルの発言者が一堂に会したとき、
新たなアイデアが生まれ
深い学びが得られ
受講者全員が成長する機会となります。
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