研修の準備で、どうしても避けて通れないのが内容をどう伝えるかです。

初心者の方によくあるのが、伝えたいことを漏れなく話ができるようにシナリオを話し言葉で作り込んで、研修ではシナリオに書いてあることをそのまま読み上げるような研修です。

この進め方では、受講生との繋がりが希薄になり、聞いている側が飽きてしまいます。

では、台本を暗記した場合はどうでしょうか。
当然ですが、原稿を見ずに話しを進めるので、臨機応変な対応が難しくなります。

忘れてしまったら、どうしよう
上手く伝えられるかな
もれなく言わなくては
という不安が付きまといます。

このように、研修で話す内容について、

台本に書いてあることを丸々読み上げる
暗記しようとしたりする

場合がありますが、ファーストクラスマインド講師養成講座ではお勧めしていません。

なぜ、原稿を読み上げたり、シナリオを暗記したりしてはいけないのか、その理由と具体的な方法をお伝えします。

シナリオの丸々読み上げ、暗記をしてはいけない3つの理由

① 暗記すると意味が伝わりにくくなる

暗記した文章を思い出しながら話すと、意味が伝わりにくくなります。思い出すという自分の行為に意識が向き、受講者に意識を向けられなくなりがちです。いくら抑揚をつけても、伝えたい本質から離れてしまうことがあります。

これは、受講者の反応に顕著に現れます。

暗記した文で伝えようとすると、前のめりで聞いていた人の姿勢がもたれた姿勢に変わったり、居眠りする人が出てきたりします。

また、シナリオを読みながら伝えると、文章から目を離したとき、次はどの行だったのかを探すことになり、話の間が空いてしまいます。

「まずい!次はどこから???」と、自ら緊張感を高めることにもなりかねません。

② 暗記をすると「てにおは」が一つ違っただけでも次の言葉が出にくくなる

いわゆる「頭が真っ白になる」と言われる状態を引き起こし絶句しやすく、スムーズな話し方としどろもどろに話す場面が入り交じりった講義になってしまいます。

受講者からすると違和感があり、「大丈夫だろうか?」と不安を抱かせ、講師としての権威性を下げてしまうことになります。

③応用が利かなくなる

受講者からの予期せぬ発言や反応から、研修テーマが奥深くなったり問題解決につながったりすることがあります。

シナリオを読んでいると用意した文章から離れられず予定調和になりがちで、この予期せぬ絶好のチャンスを逃してしまうことにもなります。

受講者の反応を見て聴いて感じながら研修を進めていくことを目指します。

ファーストクラスマインド講師養成講座では、登壇前に『キーワード練習法』を取り入れることをお勧めしています。

シナリオではなくキーワードを見ながら練習すれば、漏れがなく、自分の言葉として伝わりやすくなります。

『キーワード練習法』のメリットと、準備の進め方について詳しくご紹介いたします。

『キーワード練習法』で研修内容を自分のものにする

『キーワード練習法』は、3つのステップで進めると効果的です。

① 事前準備

・研修で伝える内容が決まったら、各パートで必ず伝えるキーワードを明確にリストアップする

・伝えたい内容に関連する体験談や事例を選定する

・事例を話すフックとなる言葉を明確に記述する

② キーワードをつないで話す

「そんなことできるのか?」と思うかもしれませんが、誰にでもできます。

例えば、「皆さん、おはようございます。本日の研修を担当いたします、〇〇〇です」と書かなくても、

 「挨拶」「名乗り

の2つのキーワードだけ記しておけば、言葉は自然に出てきます。

③ 声に出して3回、キーワードをつないで練習する

・頭の中で話す練習だけよりも、声に出すことで、より強化したいポイントや不要な言葉が明確になります。

・可能であれば、録音して自分の講義を客観的に聞いてみることもおすすめです。

・繰り返し声に出すことで、口元の筋肉が動きを覚え、自然な話し方が身につきます。

タイマーやパワーポイントの時間表示を活用して3回は反復練習をします。

時間の感覚がつかむことで、過剰な緊張感を和らげ、自信を持って講義できるようになります。

まとめ

研修の始まりは、自転車の漕ぎ始めとおなじようにエネルギーを使い、緊張を伴います。

しかし、『量質転化』という言葉が示すように、ある一定の量を積み重ねると質的な変化が起きます。
講師として人前で話すことに慣れたい場合、まずは量をこなすことが大切です。

慣れるまでの過程で、『キーワード練習法』を活用してみてください。
用意した内容を完璧に伝えることがゴールではなく、受講者の行動変容や担当者の満足が講師としての真のゴールです。

受講者の体験を重視しながら、講師としての成長を目指していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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