企業研修では意欲的に何かを掴もうとする方がいる一方で、
上司の指示で忙しいのに参加せざる終えずに
参加する方もいらっしゃいます。

まずは、関係性を作り、内容に興味をもてるように進行したいものです。
テキストの字面を追って説明しても興味は引き出せません。
講師の経験談が面白く、そこから研修内容に関心をもつことは良くあることです。

では、どうやって、単なる体験を講師の経験談として
伝えたらよいのかを考えていきましょう。

1. 度肝を抜かれました

定宿にしている

お気に入りのホテルがあり、

年に10泊以上滞在します。

建物は古いのですが

働く人たちが

いつも心温まる対応をしてくれます。

この度、内装が新しくなり

益々、居心地が良くなる

はずでした・・・

部屋に入ると真新しい壁紙や絨毯

設備も最新式

キャリーバッグをゆったり開くこともできます。

窓にはモダンなオレンジ色の

ロールスクリーンがあり、

閉じようと思いフッと外をのぞくと

なんと、

隣の部屋でくつろぐ男性と目が合い

度肝を抜かれました。

相手の方も不意を突かれて

かなり驚いた様子でした。

建物がT字型になっている

角の部屋で

レースのカーテンがないため

丸見えだったのです。

お互い裸でなくて良かった…

「驚かせてごめんなさいね」と

心の中でつぶやきました。

チェックアウトの際、

「今回のご宿泊はいかがでしたか?」

とスタッフから

問いかけがあったため

昨晩の体験を伝えました。

そのスタッフは

部屋番号や私の訴えをメモし

レースのカーテンについては

早急に改善することと

「ご意見ありがとうございます」と

心からの感謝の言葉を仰いました。

本気で快適なホテル空間を

作ろうとしている意志が

ひしと伝わってきました。

2. 研修のネタは日常に溢れている

日常生活の中で

心がポッと温かくなったり

不快や怒りを感じたりしても

鋭い関心がなければ

通常は通り過ぎていきますが

アンテナを立てると

出来事に対する意味づけが

変わってきます。

隣の部屋の人と目が合う

という出来事は

不快な体験であり

ホテル側は手抜かりです。

しかし、

腹の虫はおさまらなくても

スタッフの対応で

不快ないきどおりが

心地良い経験に変わりました。

積極的な声掛けの意志

本気で聴く姿勢

改善の約束

これは格好の事例になります。

3. 研修でどのように活かすのか

例えば、

『クレーム応対研修』では

●クレーム応対はどのような

心構えや態度で臨むと良いのかを

伝えるとき

●『クレーム』をチャンスと捉え

真剣に対応すれば

『コンプレイン』どころか

『ファン』をつくれるという

事例として伝えることもできます。

お客様にとっては

『クレーム』は『要望や提案』であり

『コンプレイン』は感情を伴う『苦情』です。

単なる『クレーム』(要望や提案)を

『コンプレイン』(苦情)に

発展させてしまうことは

良くあります。

●不備への対応方法

としても活用できます。

客側が要望や提案を伝えても

多くの場合

真剣に聞かれないと

怒りを増幅させてしまいます。

「あーまたか」と受け流す

「申し訳ございません」をただ繰り返す

これでは

怒りが湧いてきて当然です。

今回のように

客として感じた要望を

真剣に聞いてもらえると

自分の意志を

受け止めてもらえたことで

嬉しささえ湧いてくるものです。

まとめ

自分がお客として

感じたことは臨場感を持って

伝えることができます。

アンテナを立てると

今まで単なる快・不快の体験が

格好のネタとなるのです。

素晴らしい応対だけでなく

不快なサービスを受けたら

チャンス!!!です。

どんな言葉や態度が

快・不快を生むのか

どうすれば良いのかを

考えるのは実に楽しいものです。

さあ、

あなた独自のアンテナを

作動させてみましょう。

今までとは全く異なる

新たなモノの見方・捉え方が

出来るようになります。


最後までお読みくださり

ありがとうございます。