『授業成功の秘訣は動機づけにあり』
大学で非常勤講師として授業を担当するとき、いかにして興味を惹くのか動機づけの方法を3つご紹介します。
ゲスト講師として招かれるとき
非常勤講師として動機づけするときの違いをまとめました。
単発の研修やシリーズものの研修でも活用できます。
Contents
1. 授業での動機づけ
1-1.問いかけからスタートする
授業のテーマについて
「学んだことがあるか、ないか」
「知っているか、知らないか」
「得意か、苦手か」
などを問いかけ挙手を求めます。
テーマについて自分ごととして
考えるため主体的になります。
自ら手を挙げる動作により自分ごととなり
参画意識が高まります。
何でもないことのようですが、
効果は絶大です。
1-2.穴埋め型式で復習を行う
講師から一方的に
前回の復習をするのではなく
穴埋め型式で行うのが
ポイントです。
一種のテストの様になり
思い出そうとしたり
間違えたりすることで
早く正解を知りたがります。
自発的な学びが誘発でき
その日の学びに繋げることもできます。
自分の思考を客観的に見て再認識する
メタ認知が働き
記憶にも残ります。
1-3.メリット・デメリットの提示
なぜ今日はこのテーマなのか
学ぶとどんな良いことがあるのか
を冒頭で伝えます。
テーマが、コミュニケーションでしたら
「初対面でのコミュニケーションの
取り方のコツが分かり
これまでとは違う新しい関係性が築けます」
逆に、これを学ばないでいる
デメリットを伝えて
小さな危機感をもってもらい
やる気に火をつけることもあります。
「初対面でのコミュニケーションの
取り方のコツを知らないと
良い関係が築けないままです」
2. ゲスト講師と非常勤講師としての動機づけの違い
2-1.ゲスト講師は必要性を伝える
大学での講座や授業を
依頼されることがあります。
担当するテーマは
・コミュニケーション
・キャリア全般
・就職活動のマナー
・インターンシップ前準備・振り返り
などです。
ゲスト講師として大学に
招かれるとき
学生は目の前に
インターンシップや就職活動
という目標があります。
学外の講師のため
程良い緊張感もあります。
聞く姿勢が
整っていることが多く
冒頭の動機づけは
比較的容易です。
人生の中での現在地点を伝え
なぜインターンシップや就職活動で
コミュニケーション力やマナーが
必要なのかを考えてもらいます。
必要性や重要性を理解できると
吸収しようとする
意欲がわき
受講態度に変化がみられます。
2-2.非常勤講師は6割の学生を動機づける
大学の非常勤講師として
15回シリーズの授業を
担当するときは
動機づけの
難易度がグッと上がります。
学部や専攻にもよりますが
特に1.2年生は
差し迫るものが目の前にないため
意欲はあまりない場合が多いものです。
初対面でのコミュニケーションは
『苦手』
と決めている若者は多く
授業開始後2~3回目までは
互いによそよそしい様子です。
シーンと静まり返り
居眠りをする勇気もなく
神妙な空気が漂います。
3~4回目を過ぎたころから
態度は一変します。
学生同士親しくなり
私語をしたくもなり
ざわめいた雰囲気になります。
冒頭での動機づけは欠かせません。
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートは
「社会全体の富の8割は2割の高額所得者に集中し、
残りの2割が8割の低所得者に分配される」
という理論を提唱しました。
ここから派生した
『262の法則』
組織においても
意欲的に働く人が2割
普通の働きをする人が6割
貢献度の低い人が2割と
言われています。
学生の授業への取り組みもこれに似ています。
意欲をもち積極的な姿勢を見せる学生が2割
気分や内容により流動的な学生が6割
聞く気のない学生が2割
とすると
ポイントは、6割の学生への
動機づけするかです。
授業のまとめとして提出する
『リアクションペーパー』の内容が
的を射ていた人を名指しして
承認したり
発言は少ないが
よく考えていそうな学生の
考えや意見を求めて
当事者意識をもてるように
しています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
1. 授業での動機づけ
1-1.問いかけからスタートする
1-2.穴埋め型式で復習をする
1-3.メリット・デメリットの提示
2. ゲスト講師と非常勤講師としての動機づけの違い
2-1.ゲスト講師は必要性を伝える
2-2.非常勤講師は6割の学生を動機づける