「一生懸命説明しているのに、相手にうまく伝わらない」

「理屈では分かってもらえても、相手の行動や表情が変わらない」

対人支援の現場や日常のコミュニケーションにおいて、
このような壁にぶつかることは少なくありません。

私たちはつい「論理的に伝える」ことに重きを置きがちですが、実は人の心を動かし、身体的な感覚まで変えてしまうのは、論理を超えた「イメージの力」が鍵を握っています。

今回は、講師としての質を一段引き上げる「分かりやすい伝え方」について。

特に、論理(左脳)を補完し、相手の心と身体を動かす「イメージの力(右脳的アプローチ)」に焦点を当てて紐解いていきます。

不思議なほど声が変わる「イメージの力」

講師として24年活動していますが、「より楽に、より長く、心地よい声を届けたい」という想いから、最近ボイストレーニングに通い始めました。

そこで出会ったのが、若くて溌剌とした、まるで魔法使いのようなボイストレーナーです。

彼女の指導を受け始めてから、私の呼吸の仕方や声の出し方は、驚くほど変化しました。

「語彙力がなくてごめんなさいね」と言いながらトレーナーが多用するのは、難しい解剖学的な理論ではなく、コーチングの現場でも馴染み深い「メタファー(比喩)」です。

「理屈」を飛び越え、「身体」が動き出すメタファーの力

例えば、高い音を出そうとして喉が力んでしまう私に、トレーナーはこんな「魔法」をかけます。

「みほさん、高い音を出す時は、上に向かって声を出すのと同時に、足元に向かっても見えない糸をグーッと引いてみて」

「声を出す直前に、胸の真ん中にある大きな扉を、ひらいてからですよ」

もしこれを

「腹圧を維持し、声帯を薄く引き伸ばして、胸腔の共鳴を意識してください」

と言われたらどうでしょうか。

私の頭(左脳)は「なるほど」と納得しても、私の身体は情報処理に追われ、かえって緊張して動かなくなってしまったと思います。

しかし、「糸を引く」「扉をひらく」というイメージを提示された瞬間、私の身体は理屈をショートカットし、直感的に高い声を出すことができたのです。

これこそが、イメージが持つ「直感的な再現性」という魔法の正体です。

アナロジーで「納得」させ、メタファーで「体感」させる

講師として教壇に立つ際、私たち講師は受講者の「分からない」を「分かる」に変え、さらに「できる」へと導かなければなりません。

そのために、私は2つの「イメージの力」を使い分けています。

① アナロジー(類推):左脳への橋渡し

アナロジーとは、未知の難しいことを「アレと同じ仕組みですよ」と、誰もが知っている構造に例えて説明することです。

例えば、

「キャリア形成は、地図のない山登りのようなものです」と伝えます。

これは共通の構造を伝えているため、受講者の左脳は「なるほど、仕組みはわかった」と納得します。

論理的な理解を助けるための、大切な「橋渡し」です。

② メタファー(隠喩):右脳への直感スイッチ

メタファーは、相手の「感覚」や「状態」を直接書き換えます。

先ほどのボイトレの先生の言葉のように、仕組みを解説するのではなく、脳内にパッと映像を浮かび上がらせます。

例えば、マナー研修で「背筋を伸ばして、指先まで揃えてください」 とだけ伝えても、どこかぎこちなく、 形だけの動作になりがちです。

私は こんなイメージを投げかけます。

「頭のてっぺんから、天に向かって透明な糸で優しく吊るされている気持ちで」

「背筋を伸ばす」という動作が、「天から吊るされる」という メタファーひとつで、力みのない、 凛とした美しい姿勢へと変わります。

ボイトレの先生が私に 「胸の扉をひらく」と教えてくれたように、脳内にパッと映像を浮かび上がらせる。

すると、言葉の壁を越えて、姿勢や表情、声のトーンまでが 一瞬で「理想の状態」へと変わるのです。

ロジックという「階段」を一段ずつ登ってもらい、

イメージという「エレベーター」で

一気に体感の深層へ導く。

この両輪を使いこなすのが、プロ講師の技術です。

緊張という「呪文」を、肯定的なイメージに書き換える

この「イメージの力」は、講師自身のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。

かつての私がそうだったように、多くの講師が「緊張」に苦しみます。

実は緊張の正体は、自分の中で繰り返される「失敗したらどうしよう」という、自分を縛る「ネガティブなイメージ(呪文)」です。

脳内で自分を責め続ける「内部対話」が、思考を止め、身体を硬直させてしまうのです。

私のメソッドでは、この内部対話を「肯定的フィードバック」に変える方法をお伝えしています。

「受講者はあなたを品定めする敵ではありません。

共にゴールを目指す『運命共同体』であり、あなたの船に乗った大切なゲストです」

「会場全体が、あなたと受講者を包み込む温かい光で満たされています」

そんなポジティブなメタファーを脳にインストールすることで、魔法が解けたように身体の強張りが消え、驚くようなパフォーマンスが発揮できるようになります。

まとめ

あなたの言葉で、誰かの未来の扉をひらく

論理性は、話の信頼性を担保します。

一方、イメージの力は、話に「魂」を吹き込み、相手の人生に本当の変化を引き起こします。

私は17年のフライト経験と24年の講師経験を経て、

今、確信しています。

もしあの時、新卒試験の不合格や、その後の緊張に負けて講師の道を諦めていたら、私の人生はこれほどまでに色鮮やかなものではなかったでしょう。

お客様との出会い、受講者の方々が変化した瞬間の輝く瞳、そして「天職」と思える仕事に捧げた17年間。

そのすべてが私の人生の宝物です。

これから講師を目指す皆様、あるいは今の伝え方に悩んでいる皆様。

あなたの持つ素晴らしい知識を、理屈だけで終わらせないでください。

そこに「イメージという魔法」を添えて、受講者の方々の心に深く届けていきましょう。

あなたの言葉ひとつで、誰かの未来の扉がひらく。

そんな素晴らしい瞬間を、ぜひ私と一緒に体験してみませんか。

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『ファーストクラスマインド講師 養成メソッド』では、初心者の方でも、緊張を味方につけ、

受講者が盛り上がる研修を組み立てる具体的な手法を体系化してお伝えしています。

「私にもできるかしら?」と思われた方こそ、ぜひ一度、このメソッドに触れてみてください。

ゼロからの挑戦が、人生最高のチャンスに変わり鮮やかに彩られていきます。

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